『エミール』…ほんとうの教師は父親である。これはある意味本当

0622

ルソーの著作の中で『エミール』はもっともよく知られている作品だろう。実際に読んでみると大変面白い。第一編から含蓄のある話が次々に出てくる。

「ほんとうの教師は父親である……世界でいちばん有能な先生によってよりも、分別のある平凡な父親によってこそ、子どもはりっぱに教育される」

現代において子どもの教育に係わらない父親は、当時以上に多いだろう。ルソーからこの点を指摘された世の父親は、どのように受け止めるであろうか。いや、今時「分別のある」父親がどれほどいるかそちらのほうが、疑問かもしれない。