剣山山系のシカ食害、深刻化を訴え NPOが冊子を作成

NPO法人三嶺の自然を守る会(暮石洋理事長)が、剣山山系のシカによる食害をまとめた冊子(B5判カラー、33ページ)を作った。2014年の登山シーズンに会員が撮った写真57枚を掲載。樹皮を食べられた木が枯死し、山肌がむき出しになった斜面が崩れるなど被害が深刻化している状況を報告している。 会によると、植生が消えた土壌では保水力が低下し、多くの急傾斜地で雨の影響とみられる崩落が起きていた。三嶺周辺で5月に撮られた写真からは大木が根こそぎ倒れ、大雨により地盤が深くえぐられた様子が分かる。食害が広がる前の04年ごろの写真も併せて掲載しており、荒廃ぶりが目立つ。 会は剣山山系の荒廃ぶりを広く知ってもらおうと13年春に続いて報告をまとめた。150部発行し、希望者には600円(送料込み)で販売する。(徳島新聞)