第18回 法人といっても、いろいろある

法人の意味については多少イメージがつかめたことと思います。人は自然人と法人に分かれるということです。人の種類にもいろいろあるように、法人にもさまざまなものがあります。

大きく分けると、人の集まりとお金(財産)の集まりの2つ。人の集まりは前回話に出た会社みたいなものですから分かりやすいのですが、実はお金(財産)の集まりも法人になりうるのです。

「財団法人」というのが典型です。人の集まりとしての法人の種類は多いですね。社団法人、学校法人、最近では税理士法人なんかもあります。

株式会社や有限会社なども法人です。会社は営利社団法人ということになります。ちなみに、商法が改正されて有限会社を新たに作ることはできません。

ここでちょっと余談。この「法人」の意味を誤解していた人の話を紹介しましょう。私がある建設資材会社で経理の仕事をしていたころのこと、ベテランの事務員が法人の話に及んだとき私にこう言うんです。

「あのねえ、法人というのはね、つぶれた会社のこと!会社は法人じゃないの!」

この発言には驚きです。おそらく彼女の頭には「清算法人」という言葉の響きが強く残っていたのでしょう。「じゃあ法人税はつぶれた会社が払うんですか?」と反論しようかと思いましたが、この人、社長にも喰ってかかるほどのうるさいタイプ。後が怖いですから私は反論せずに黙って聞いていました。