「憲法に緊急事態条項は必要か」(永井幸寿/岩波ブックレット)

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結論はもちろん、不要。ブックレットにしてはやや硬い書き方だが、内容は基本的人権の本質から書かれた必読の1冊。

本書を読めば災害でもテロでも今の憲法・法律で十分対処できること、そして自民党の条項案がムチャクチャ危険なことがよくわかる。

緊急事態条項が議題にのぼれば、政権は例によって本質を隠し「国民の生命と財産を守るために必要だ」「内閣として全力で災害やテロに対応するためのものだ」などと繰り返すに違いない。こんな子どもだましに引っかからないよう、今から緊急事態条項の危険性をつかんでおく必要がある。

 「命を救うのは法律や制度の適正な運用による事前の準備であって、事後的に憲法を停止しても命を救うことはできない」(p.36)