今年は「葉隠」完成からちょうど300年

葉隠

葉隠」は鍋島藩の山本常朝が語った言葉を、田代陣基が書き留めたもので、「葉隠聞書」とも言われているもの。二人が会った日が本文の前に「宝永七年三月五日」と書かれている。筆録がスタートしたのはこの年、西暦1710年のこと。

で、一部の写本の巻末には「享保元丙申九月十日」という表記があることから、聞き書きがこの年まで7年間も続けられたと考えられている。思想大系に解説を書いている相良亨氏はこの期間に疑問を抱いている。たしかに、こんなに長期間にわたってしゃべり、書き留め続けるなんて、ちょっと考えにくい。

筆録終了日なのか、田代による編集が終わった日なのか、読むほうとしては大して気にしないが、この「享保元丙申九月十日」にはちょっと驚いた。西暦でいうと、1716年。つまり今年からちょうど300年前のことなのである。

なんだか不思議な縁を感じるね。今年は「葉隠」完成300年の記念すべき年なのだ。