国立能楽堂定例公演「腰祈」「羽衣」

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1日の定例公演は狂言「腰祈」、能は「羽衣」。どちらも過去に観ている。狂言のほうは割と最近だが、能のほうは、保存してあるチケットを調べてみたら2000年6月以来。16年ぶりということになる。

有名曲で、能を観たことのない人でも名前ぐらいは知っている「羽衣」。ただ、国立にかかる頻度は多くない。久しぶりに観たが、やはりストーリー、構成、詞章は素晴らしい。演者の巧拙を超えて(1日の公演が悪かったわけではない)想像力が掻き立てられ膨らむ名曲といえる。

この日は「盤渉」という小書きがついていて、序の舞が通常と異なっている。また、最後にワキが留拍子を踏む「脇留」も珍しく、集中して舞台を楽しめた。中入りがないからコンパクトなんだよね。「腰祈」もまずまず。

とちゅう、地謡のところに「迦陵頻迦(かりょうびんが)のなれなれし」というフレーズが出てくる。この迦陵頻迦の別名はカラビンカ。僕のトラック用自転車のフレームはこのカラビンカという名のメーカー製である。不思議な縁だな。