「男の弱まり」黒岩麻里/ポプラ新書

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草食系男子、現代人の精子減少、セックスレス…最近は本書のタイトル通り、男の弱まりを裏付けるような言葉をよく目にするようになった。この「男の弱まり」は生物学からオスというものを考察した一冊。

研究者による著作であるからとうぜん専門用語も次々とでてくる。男だけがもつY染色体の構造など細かい話もあるが、文章がとても平易で表現が柔らかいこともあって、専門的な記述の箇所で立ち止まらずに興味を持続したまま読み進められた。

そんななか、Y染色体が過去少なくとも4度急激に遺伝子を減らしたという報告が紹介されていたのは驚きであった。筆者は遠い将来のY染色体の消失も予想している。といっても、「草食男子」の男性ホルモンが低いということもないようなので、その点は大丈夫なようだ(^^)。

チンギス・ハンのY遺伝子、男女のストレスやフェロモンの話から、後半にはハダカデバネズミやマメゾウムシなど他のユニークな生物も登場するなど、実験結果や写真などの資料も豊富で飽きさせない内容。

…男女が集まる飲み会での話題にもいいかも。