宴会が始まると、木製の死骸が巡ってくる。

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ヘロドトスの「歴史」にこんな記述がある。(松平千明訳「世界の名著5 p.118)

「エジプトの富裕階級の者の催す宴会では、食事が終わり酒宴に入ろうとするとき、一人の男が木で人間の死骸にかたどったものを棺に入れて持ち回る。 この死骸は、描き方といい彫り方といい、実物そっくりに作ってあり、背丈は1ペキュスないし2ペキュスある。これを会食者の一人ひとりに示して、こう言うのである。 『これを見ながらせいぜい楽しく酒をお過ごしください。あなたも亡くなられたら、このような姿になられるのですからな』」(巻二[78])

これ、大好きな一節。健康で皆と楽しくお酒が飲めるのはありがたいこと。