国立能楽堂定例公演 狂言「鏡男」、能「紅葉狩」

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18日の定例公演は、狂言「鏡男」、能「紅葉狩」。狂言のシテは大好きな善竹十郎。15世紀からそのままやってきたような独特の味わい。鏡を覘いていろいろな表情をみせる場面がさすがで、大柄な妻の善竹富太郎との相性もよかった。

「紅葉狩」は能の中でも分かりやすく舞台栄えがいいため、鑑賞講座や子供向けにもよく上演される曲。シテツレ、ワキツレが3人ずつに加え狂言方末社神も出るなど、登場人物が多く、作り物もあり、動きが多い誰でも楽しめる舞台といえる。

宝生流で見るのははじめて。以前に観世流でみた「鬼揃」という小書きの同曲は圧巻だったな。長いこと能を見ていると細かいことに目がいってしまうが、「紅葉狩」は演者の巧拙を気にせず、素直に楽しむのに相応しい曲だと思う。