平和主義を積極的に進めるのが、積極的平和主義

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中学校の公民の教科書(東京書籍)で「平和主義」の項目を見ると次のように書れている。

日本国憲法は、戦争を放棄して世界の恒久平和のために努力するという平和主義を基本原理としました。」

また「憲法」(岩波書店)の中で芦部先生は平和主義の意図について「日本国憲法の平和主義は…平和構想を提示したり、国際的な紛争・対立の緩和に向けて提言を行ったりして、平和を実現するために積極的行動をとるべきこと」と書かれている。この軍事力によらない積極的行動が積極的平和主義といえる。

しかし、アベ政権が用いる「積極的平和主義」の本質は、米国と軍事的に連携して抑止力を高める、という方針であるから、「軍事力による抑止主義」あるいは「消極的平和主義」というべきもので、国民を欺いたネーミングである。

河野洋平・元自民党総裁は村山元首相との対談で次のように述べている(「世界」2015年6月号)。

…「侵略の定義は定まっていない」とかつて安倍さんは言っていましたがそんなことはない。国連できちんと定義されています。しかし、定義にこだわるならば、積極的平和主義とは何か、平和主義とどう違うのか、そうした定義もきちんとすべきでしょう…