共通の地平が見えてくる…高橋源一郎×SEALDs

0922

今日は「高橋源一郎×SEALDs 民主主義って何だ?」を読んだ。SEALDsについてはその活動を知ってはいたものの、内心では、大して知識もなく気分中心に「にわか結成」された学生の集まりだろう、程度にしか思っていなかった。(SEALDsの人読んでいたらすみません!)

ところが、対談を読み進めていくうち、こんな先入観は次々と打ち消されていった。SEALDsは2年近く前の特定秘密保護法反対運動時に結成されたSASPLという団体をその前身としている。勉強会を重ねるほかでもでのコールの中身なども練るなど、かなり密度の濃い活動をしてきたようだ。

高橋との対談に出席している奥田愛基君と牛田悦正君の両名の話はぶっちゃけた話し方の中に難度の高いものが数多く含まれている。よく勉強し、よく考えているなあ、と感心しながらページをめくった。参議院公聴会での奥田愛基君が実年齢より思慮深く見え、その発言内容が優れていたのも頷ける。70年安保に加わっていた高橋とのギャップより、むしろ共通点を数多く見出したことも意外だった。意識は同じなんだね。

後半から古代ギリシアやルソーの民主制など高橋の講義調の話が多くなるが、民主主義について考えるとき、その歴史や思想を学ぶことは避けて通れない。考えていることを話すだけの対談でなく、こうした内容が含めるのはいい構成だと思う。もちろんこの対談で「民主主義は…である」という結論は出していないので、じっくり考える機会にしたい。

読みながら傍線を引っ張ったところが結構あったが、さいごにSEALDsの牛田悦正君がとてもいいことを言っているので引用したい。

「民主主義とは何か?」と考えるのではなく、民主主義的なことをやってみる。つまり、話し合ってみる。その体験が民主主義なんじゃないだろうか。話し合いの中で、相手の意見を聴いて、自分も少しずつだけど変わっていく、そして共通の地平が見えてくる。そんな時に、民主主義っぽいものを感じる。それは凝り固まった、与えられた、制度としての民主主義ではなく、「僕らの民主主義」の片鱗なのだろう。

なるほど。「共通の地平」という言い方がいいな。