冷静な理論を身につけることが不可欠だ

0920

先週は4日間国会前のデモに参加し、安保法案反対の声をあげた。強行採決阻止はかなわず、少々脱力気味になったが気を取り直し、連休は安保法案や憲法について本を読むなどして頭の中を整理することにした。

まず選んだのが、最近メディアでもよく見かける木村草太さんの「集団的自衛権はなぜ違憲なのか」。憲法学者の視点で戦争法案の問題点から憲法の原理、立憲主義の役割などを、ときにユーモラスなたとえ話も交えて明確に示している。

過去に掲載した新聞や雑誌の原稿を集めているため、全体の構成がいまひとつで、重複した記述が何箇所かあるが、各項目が独立しているため、興味のあるところから読み始めることもできるので利用価値が高い。

筆者はあとがきで、反対運動に共感しつつも、次のような警鐘を鳴らしている。

―ただ、ここで気になるのは、直感に基づく言説は、共感は呼んでも説得はできないということだ。「これは戦争法案などではない」と考える人を説得するには、自分たちの感じていることに対し理論によって形を与えることがどうしても必要だ。 また、直感に基づく行動力は、強い情熱によって多くの人をひきつける一方で、時の経過とともに冷めやすい。法律が適用されるまで、政府の行動を辛抱強く監視し続けるには、冷静な理論を身につけることが不可欠だ。 

なるほど。いいこと書いてくれるなあ、木村さん。またやる気が出てきたぜ。