能「江口」の上演時間は2時間…やはり鬘物はいいな。

0903 昨日の定例公演、狂言和泉流で「舎弟」。かなり前に一度見たことがある短い演目。「江口」が長時間なのでバランスをとったのかもしれない。シテの高野和憲はよく演じていたと思う。

野村萬齋も教え手として出演。いつ見ても彼には洗練され過ぎの感がつきまとうのは僕だけだろうか。枯れたところというか、気が抜けたところというか、いつかそんな萬齋が見たいものだ。

能は金春流で「江口」。この曲を見るのには覚悟がいる。上演時間が長いのだ。これだけ長い曲を集中力を切らさずに観るのはほぼ不可能。お休み(居眠り)するなら前半である。能では後場にシテが出てきてからがメインなので、それまでに休んでおくのがいい。タイミングとしては夢幻能なら間狂言のところ。

「江口」ではアイが引いたのち、屋形船の作り物が出され、ツレ二名を伴ってシテ登場。作り物は橋掛かりに置かれるため、自分のいる中正面席は正面席後方よりも見やすい。三者が並ぶ場面は絢爛壮観。やはり能は鬘物がいい。

…でも2時間は長かった。