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『福翁自伝』…女性関係については書かれていない

ライブラリー

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この自伝は福沢が64歳のとき、速記者を前にありふれたメモを用意して語ったものだったという。数十年も前のことをよく記憶しているものである。

自伝には多かれ少なかれ、虚偽や虚飾が含まれるが、『福翁自伝』の内容の真実性は高いと感じる。失敗談にしても、誇張やウソが混じったものは何となくわかるものだけれど、この自伝を読むかぎり、そのような疑念は抱かない。

作者同様のストレートな性格を有している。偽りを書いて何になる、という一途な福沢の声が聞こえてくるようだ。

福沢も若い時分はよく酒を飲んだようである。緒方塾にいたころ、書生が料理屋で飲んだ帰りに、猪口や小皿を持って出ることがよくあった、と書かれている。今はしないが、自分にも過去に同様の経験がある。

文句なしに面白い著作。女性関係もあったに違いないが、この点に関する記述は全くない。まあこれは仕方ないかな。