「安全保障環境の変化」によって、徴兵制も導入されるだろう

それにしても、大昔の「砂川判決」を引っ張り出して、しかもここから集団的自衛権を引き出すとは、現政権のお粗末さも極まれり、といったところ。

憲法を勉強した人なら(勉強していなくても判旨を読めば)、この判決の中心が①米軍は戦力にあたらない、②いわゆる統治行為の2点であって、集団的自衛権を導き出すなど、自民党政権でも言ってこなかった。

「安全保障環境が変化」した、などというが、冷戦下でソ連の脅威が高まっていたときも、憲法上、集団的自衛権は認められないという72年の政府見解は維持されてきた。

「環境が変化した」と言って憲法も過去の政府見解も無視できるのであれば、いずれは徴兵制も「安全保障環境の変化」によって導入されるだろう。「憲法無視の実績」ができれば、それは簡単なことなのだ。