『詳解ラテン文法』…アモー、アーマス、アマート、アマームス…

詳解ラテン文法

大学3年になって専門課程に上がるとき、僕はなぜか他学部の科目であったラテン語を選択した。卒業の単位数には勘定されない自由選択科目の一つとして選んでみたのだった。

ラテン語を学習している、というと何かすごくアカデミックで高尚な学生のような気分がする…選択したきっかけは要するに格好つけだった。

しかし、選択したこの科目の内容は半端ではなかった。ラテン語は発音こそほぼローマ字読みでいけるが、文法が面倒臭い。名詞の性は3性、格は7格まである。動詞の活用は規則動詞で第4活用まである。

で、使ったテキストが本書。 講師は共著者でもある藤井昇。200ページにも満たない本なのだが、密度がとても濃い。

藤井教授の講義もテキストに合わせて初回からガシガシ進む。語尾変化を覚えるのは辛く、しかも1回の講義のペースは速いので予復習も大変だった。そのうえ2回目の授業から練習問題を1問ずつ学生に順番あてて答えさせるという心理的負担も重なった。

ラテン語なんか選択する学生は最初から少なかった。初講日に30人ほどいた学生は次第に減少、必ず当たるようになったので予習がサボれず続けるのが辛くなった。

そして…負担に耐えられなくなった僕はついに4回目の講義を最後としてしまった。今でも記憶しているのは「amare(愛する)」の活用「amo amas amat amamus amatis amant」だけ。