ライブラリー

フルトヴェングラーは別格だよね。

https://youtu.be/X3klRQyvkQk 紅白はもう30年近く見ていない。ここ数年は隣のチャンネル(Eテレ)でクラシックを楽しむことが増えた。昨年は中村紘子(p)チャイコフスキー・ピアノ協奏曲1番、ベートーヴェンの第9番、それに小澤征爾指揮の第7番(第一楽章のみ)…

玉川勝太郎との共演

https://youtu.be/Vak4qaWg0rs 玉川勝太郎との共演というとても貴重な映像。玉川勝太郎は玉川カルテットのリーダー、玉川ゆたかの浪曲の師匠。 勝太郎による「金もいらなきゃ…」が聴けるのも面白い。一人一節といわれるだけあって、二葉より気品が感じられる…

1994年「笑点」の動画

https://youtu.be/FXS5cGazVc8 芸能の秋、玉カルの秋。まずはこの動画。4人の個性と芸の質の高さがわかる。画像は1994年「笑点」出演時のもの。

「LOOK AT YOURSELF」

ユーライア・ヒープは以前から大好きなグループで、発売されたLPレコード全てを所有している。「対自核」「悪魔と魔法使い」「魔の饗宴」の3枚のアルバムを発表した70年代前半は黄金期と言われている時代の作品で、この3枚と、後にジョン・ロートンが…

「法的な問題解決は簡単である」

憲法学者の横田耕一氏は「憲法からみた天皇の公務そして生前退位」(「世界」9月号)の中で次のようなことを述べている。 もし「生前退位」が「公務」の過重負担から出ているならば、法的な問題解決は簡単である。「国事行為」に公務を限定するか、「公的行為…

「あらし」シェイクスピア

シェイクスピアの作品中、『あらし』は気に入っていてよく読む。三一致、閉鎖的小宇宙、プロスペローの超人的、支配的な役割など、他の作品にはみられない特徴がいくつもある。 フォールスタッフなどシェイクスピアの戯曲には数多くの個性的な人物がいるが、…

「日葡辞書」岩波書店

日本の古典作品を読んでいると、頭注に日葡辞書からの引用にしばしば出会う。最初のころは気にも留めなかったが、何度も出てくるため、この辞書そのものに興味をもつようになった。 日葡辞書は17世紀の初頭にイエズス会によって刊行されたポルトガル語の説明…

「憲法に緊急事態条項は必要か」(永井幸寿/岩波ブックレット)

結論はもちろん、不要。ブックレットにしてはやや硬い書き方だが、内容は基本的人権の本質から書かれた必読の1冊。 本書を読めば災害でもテロでも今の憲法・法律で十分対処できること、そして自民党の条項案がムチャクチャ危険なことがよくわかる。 緊急事態…

「死を、日ごとにきみの眼前に思い浮かべよ」

古代ギリシアの思想家エピクテトスの要録に次のような一節がある。 「死、追放や、すべて恐ろしく思われるものを、日ごとにきみの眼前に思い浮かべよ、中でも特に死を。そうすれば、決して何か卑しい考えをいだくことも、何かを過度に欲求することもないであ…

「友だち自身は変わるが書物自体は変わらない」

三島由紀夫の「『葉隠』とわたし」より。 友だちと書物との一番の差は、友だち自身は変わるが書物自身は変わらないということである。それはたとえ本棚の一隅に見捨てられても、それ自身の生命と思想を埃だらけになって、がんこに守っている。 新潮文庫「葉…

「浮世草子集」(日本古典文学全集65)

古典文学全集(旧版)の収録作品は、夜食時分(随分とふざけた名である)の『好色敗毒散』と江島其碩の『浮世親仁気質(うきよおやじかたぎ)』の2作。その後に買った岩波大系には夜食時分『好色万金丹』、江島其碩『傾城禁短気』と、それぞれ違う作品が収め…

週刊現代増刊「三島由紀夫緊急特集号」

これは今から6年ほど前、神田の古書街を歩いていて偶然見つけて買ったものである。屋外のワゴンに積まれていた中の1冊で100円だった。 表紙はくたびれ、ページもかなり焼けてはいるが、中身は一級の資料。原稿を寄せている各界の人による三島由紀夫の言動や…

わたしのただ一冊の本「葉隠」~三島由紀夫のことば

三島由紀夫が書いた「葉隠入門」はもしかしたら「葉隠」そのものよりもよく読まれているかもしれない。ところどころで本文を引用していることもあり、この本を読めばおおよその「葉隠」の精神がつかめる。 「葉隠入門」が書かれたのは1967年、自決する3年ほ…

「クレヨンしんちゃんの本だと?ダメだそんなの。認めん!」

「世界」7月号の連載「片山善博の日本を診る」の中で、片山氏は舛添都知事問題について、本人の行為もさることながら、都の機関によるチェックシステムが全く機能していなかったこともその原因に挙げる。 1 高額の政務調査費を受け取っている都議会の議員が1…

「DVDボウリング入門180 UPをめざせ!」名和秋

ゲームともスポーツともいわれるボウリング。今年に入って、たまたまPリーグの番組を見てから自分でもやりたくなり、4月からときどきレーンに立つようになった。 しかし、スコアはパッとしない。そもそも自己流に限界があるのでは…そんなことで買ったのがこ…

「「意地悪」化する日本」内田樹×福島みずほ/岩波書店

タイトルは「意地悪」化…となっているが、日本の意地悪に関する話は多くない。内容の大半は今の政権をテーマに、安倍晋三の性格やら今後の政権の動きなどを、政治家、思想家というそれぞれの立ち位置から話している。 対談には重要な発言もかなり含まれてい…

「憲法と政治」青井美帆/岩波新書

本書は憲法との関係に着目しながら書かれた、これまでの政治の動きを総まとめしたような新刊。かなり文章が硬く密度も濃いけれど、じっくり読み込んで復習的に頭の中を整理するのに役立つ。 著者ははじめのほうで新しい形の立憲デモクラシーの広がりに触れな…

「チャップリンとヒトラー」大野裕之/岩波書店

本書に掲載されている映画『独裁者』の結びの演説文の中にこんな箇所がある。 「…力を会わせて、新しい世界のために闘おう!人々に仕事の機会を与え、若者に未来を、老人に保障を与える立派な世界のために。 けだものたちもそんな約束をして権力に上り詰めた…

「新評臨時増刊 全巻三島由紀夫大鑑」

4年ほど前に、偶然神田の古書店で見つけて購入した。1971年1月の発行。内容は大鑑の名に相応しく、各界人の談話や対談のほか、「檄」前文や創作ノートなどの資料も含まれている貴重なもの。 三島が自決したのは1970年の11月25日。当時僕は小学校4年生だった…

バカにしていたけれどよく切れる、セラミック包丁

先月、細君がセラミック製の包丁を買ってきた。長いこと使っていた小型のものが刃こぼれしてダメになったためだ。僕は、オレンジ色の柄、白い刃をもつ「刃物」を目の前にしてこう言った。 「えー!?そんなの買っちゃったの? 調理師でもある僕が、そんなおもち…

「謡曲三百五十番集」は番外曲を含む貴重な1冊

「謡曲大観」(全7巻)「解註謡曲全集」(全6巻)など、主要な謡曲を収めた全集はいずれも複数巻でかさばるものが多い。これらは特定の曲を注釈などをみながら自宅でじっくり読むには便利だが、全曲をあれこれ渉猟するのには適していない。 そこで気楽に開けるの…

「男の弱まり」黒岩麻里/ポプラ新書

草食系男子、現代人の精子減少、セックスレス…最近は本書のタイトル通り、男の弱まりを裏付けるような言葉をよく目にするようになった。この「男の弱まり」は生物学からオスというものを考察した一冊。 研究者による著作であるからとうぜん専門用語も次々と…

「村に火をつけ、白痴になれ」栗原康/岩波書店

伊藤野枝の名は、大杉栄の本を読んでいたため名前だけは記憶していた。月刊誌「世界」の巻末に出ている新刊案内を見て彼女の生涯に興味をもった僕は、本書を手にした。 1年に何冊かは他のことをわすれて一気に読むような本がある。この「村に火をつけ、白痴…

谷崎の源氏物語訳業は世界の損失!?

谷崎潤一郎が「源氏物語」の現代語訳を行ったことについて、ドナルド・キーンは次のように書いている。 この訳業は前後3回にわたって繰り返された大事業で、この間、谷崎地自身の創作の時間が奪われたという意味では、世界の損失だったといえるかもしれない…

宴会が始まると、木製の死骸が巡ってくる。

ヘロドトスの「歴史」にこんな記述がある。(松平千明訳「世界の名著5 p.118) 「エジプトの富裕階級の者の催す宴会では、食事が終わり酒宴に入ろうとするとき、一人の男が木で人間の死骸にかたどったものを棺に入れて持ち回る。 この死骸は、描き方といい彫り…

辛淑玉さんと蓮池透さんの対談「拉致と日本人」

岩波書店「世界」6月号は読みごたえあり。とくに辛淑玉さんと蓮池透さんの対談「拉致と日本人」は必読。 「一月の国会質問以来、安倍さんは拉致の"ら"の字も口にしない」 「いつも、俺は偉いんだぁ、と人を見下して、やってあげているんだという態度」 「安…

「A GUIDE TO NO」(P.G.オニール/檜書店)

現行曲240番の概要と簡単な筋書きを収めた文庫サイズの英文解説本。本書は、改訂、新訂された最新版である。ずっと以前は一回り小さい手帳のような装丁だった。これも好きだけどね。 最初の10ページほどを費やして一般的な能についての解説のほか、簡単な歴…

「原発プロパガンダ」(本間龍/岩波新書)

「原発は安全でクリーンなエネルギー」 福島の大事故がおきるまで、原発に対してこのような漠然とした印象をもつ人は自分も含めて少なくなかったと思う。多くの人がそのように刷り込まれたのは、新聞やテレビ、雑誌などで繰り返し目にするプロパガンダ(政治…

「ブラックバイト 学生が危ない」(今野晴貴/岩波新書)

ここまでひどいのか…本書の読後感である。安い時給で学生を食い物にする異常な現実が本書には生々しく描かれている。 事例には「すき家」「スクールIE」などよく知られた名前も登場し、直営にせよフランチャイズにせよ、パートやアルバイトを酷使して利益ば…

戦後日本のジャーナリズムが直面している報道の不自由

「通販生活」の夏号が届いた。封筒をあけてびっくり!鳥越さんらの写真とともに「私たちは怒っている。」声明が載っている。表紙をめくると、「山椒言」という巻頭言があり、上智大学の田島泰彦氏はこう結ぶ。 『海外の独裁国家が報道の自由を著しく制限して…